右上図はX線回折の原理図です.射線1,2がそれぞれ原子K,Lに衝突したとすると,その経路差は次式で表されます.
ML+LN=2dsinθ
この経路差が波長の整数倍に等しければ,射線1,2の位相は一致します.これより次式が導かれます.
nλ=2dsinθ
この式はブラッグの関係式と呼ばれています.格子面間距離dは物質によって異なるため,dを調べてブラッグの関係式に代入してθを求めることにより,物質の同定が可能となります.
右下図は本研究室で合成したMgB2のX線回折による分析結果の図です.回折角度とピーク強度から,その物質の構成成分を定性的に分析することが可能です.MgB2は,回折角度が約42.6度の時にピーク強度が最大となるため,右下図のようになります.
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X線回折の原理図
MgB2のX線回折による分析結果
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