石油発動機の再生

 

再生前

 

 

現物は、真っ黒で部品が外れて中に転がっていました。ガラスオイラーも1つ無い状態です。

圧縮はあるようですが、現状では、マグネトの歯車とスプリングが外れていて、プラグから火花が出るか確認が出来ません。

手がけるのも初めてだったので、手探り状態です。

 

とりあえず、肝心のマグネトの歯車のスプリングが外れていたので、その組み立てからです。

  

以下が組み付けた状態です。

マグネトを分解して、コイルの導通の確認とポイントを磨き取り付けたところです。

マグネトのメーカーは沼津にある国産電機製でした。(^^)

 

ケースを組み付け、歯車を取り付けました

 

クランクの取り外しです。

 

クリアランス調整のためのシムがありました。

 

クランク・メタル共に多少の傷はありますが、問題なさそうです。

 

ピストンリングも大丈夫のようです。クランクキャップの取り付け部にも、隙間調整用のシムが取り付けられています。

 

シリンダ内径80mm、ストローク85mm

排気量427cc

ヘッド周りのパーツです。

 

 

金色のバルブは、実は吸気側のバルブです。

気化しにくい燃料を排気の熱で気化させやすいように、このような配置になっているようです。

(よく考えられた構造になっています。)

 

ガスケットは、なましをかけて再利用しました。 

キャブレター及び速度調節レバー及びプラグ

   

パッキン類は、ぼろぼろになっていたので作り直しました。 

 

取り付けベースは、ひびが入っていたので鉄板で補強しました。

燃料タンクは穴も開いていなかったので、そのまま使用することにしました

 

各パーツをきれいに磨いて、仮組みをした状態です。

オイラーは欠品だったので、新しいものを取り寄せ取り付けました。

 

火花がいまいちだったので、プラグとコード及びキャップも、新しいものと取り替えました。

 

ガソリンから石油への切り替えもうまくいきました。

実際に動いている様子です。

(運転中ガソリンをためるカップが、樹脂で出来ているため取り付け部のネジ部分がだめになってしまいました。作り直す必要がありそうです。とりあえず外れないようにバンドで止めてあります)

 

 

もう一台の発動機は、学生たちのみで再生しました。

(下の写真は、再生前の状態です)

 

上の状態から全てばらして、塗装・調整・組み立てまで行いました。

(こちらの発動機本体は、アルミの鋳物でした。当時の技術の高さが垣間見られます)

 

 

 

高専祭で展示・運転を行いました。

 

高専祭での運転の様子です。

 

高専祭以外でも、ご指導いただいた静岡県石油発動機同好会の方々に混じって、運転会に参加させていただきました。(技術専門校にて)