材料工学研究

水素脆化観察のための簡易試験装置の開発

ME1 No.16 西田 周平

キーワード

水素脆化,遅れ破壊,3点曲げ

概要

水素脆化とは,金属組織中に入り込んだ水素が,応力集中部に集まることで,材料を脆くしてしまうという欠陥です.(図1)


図1 水素脆化・水素脆性の原理

古くから,水素と接する場面では知られている欠陥で,さまざまな対策が研究されているのですが,水素という元素が扱い辛い材料であるために,なかなかはかどっていないのが現状です.
また,一般的に水素脆化を試験するためには,万能試験機を長時間使用することで試験を行うのですが,研究室単位の実験では,万能試験機を占有するのは非現実的です.

これらを受けて本研究室では,水素脆化の簡単な試験方法と,その試験装置を開発することで,水素脆化の有無を容易に検知する方法を提案することを目標に実験をしています.

試験方法

本研究室では,3点曲げによって応力を発生させ,材料に生じた欠陥から,水素脆化を検知する方法を採用しています.
実際の試験装置は次の写真に示したものになります.


図2 水素脆化試験装置

なお,この試験装置を設計するにあたって,SolidWorksを用いて,製図から応力解析までを行いました.
次の図3に,設計したモデルを,図4に試験片に曲げをかけた際の応力状態の図を示します.


図3 3D設計モデル


図4 応力状態

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