マイコン
マイコンはCypress社のPSoC(Programmable System-on-Chip)マイコンを用います。PSoCマイコンはワンチップマイコンの一種であり、CPU、ROM、RAMおよび外部との入出力などを行うI/Oブロックを集積している点は一般的なワンチップマイコンと同じですが、内部構成をユーザがCPUからのレジスタ設定で変更可能であるという点が大きく異なります。
PSoCマイコンは内部にディジタルとアナログの2種類のPSoCブロックを持ち、これらによってカウンタやA/Dコンバータなどの内部モジュールの機能を任意に取り替えられ、これらを組み合わせることによってPSoCブロック1つでは実現できない機能も実現することができます。
またCypress社から提供される開発ツールであるPSoC Designer上では、ユーザ・モジュールと呼ばれる設定のひな形が用意されており、ユーザは簡単な設定とプログラム上の記述で、それらの機能が使用できるようになっています。
(※ はじめてのPSoCマイコン,桑野雅彦,CQ出版,(2004) 参考)
以上の特徴をふまえ以下の理由によりPSoCマイコンを使用することとしました。
- 内部にアナログアンプを組み込むことができ, 部品点数を減らすことができる。
- 内部構成の自由度が高く、本報で提案する制御手法以外のアルゴリズムも実装可能と思われる。
- 開発元により開発環境が提供されている。
- 1個600円であり、安価である。
- PICマイコンやH8マイコン等と比べ、参考文献や参考サイトが少なく、情報公開することの意義が大きいと考える。
PSoCマイコンは以下を行っています。
- 制御器の実装
- センサ出力の増幅
- センサ出力の取り込み(A/D変換)
- 電磁石の吸引力の制御信号の生成(PWM)
- パラメータの調節ボタンの押下検出
- 液晶表示モジュールの表示制御
使用したPSoCマイコンは
本実験装置のPSoCマイコンプログラム(プロジェクト)は、読みやすく書き直し、コメント等を追加して公開する予定です。
User Modules
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PSoC Blocks
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Digital
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Analog
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CT
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SC
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7- to 13-Bit Variable
Resolution Incremental ADC
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3
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0
|
1
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Programmable Gain Amplifier
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0
|
1
|
0
|
UART
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2
|
0
|
0
|
LCD Tool Box
|
0
|
0
|
0
|
4 to 1 Analog Multiplexer
|
0
|
0
|
0
|
16-Bit Pulse Width
Modulators
|
2
|
0
|
0
|
8-bit Timers
|
1
|
0
|
0
|
Total
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8
|
1
|
1
|
Available (CY8C27443-24PXI)
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8
|
4
|
4
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PIN
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使用する機能
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Port
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bit
|
0
|
2
|
UART 受信
|
4
|
PWM 出力
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5
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ADC 入力1
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6
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UART 送信
|
7
|
ADC 入力2
|
1
|
0
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押ボタン検出(+/-)
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1
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押ボタン検出(D-Gain)
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2
|
押ボタン検出(P-Gain)
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3
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押ボタン検出(Reference)
|
4
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押ボタン検出(01/10)
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2
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0
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LCD Data (bit4)
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1
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LCD Data (bit5)
|
2
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LCD Data (bit6)
|
3
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LCD Data (bit7)
|
4
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LCD Control (Enable Signal)
|
5
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LCD Control (Register
Select)
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6
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LCD Control (Read/Write)
|
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