沼津高専 専攻科 機械・電気システム工学専攻機械コースの紹介 本文へジャンプ

アルミニウム合金のフレッティング疲労強度に及ぼすバニシング加工の影響


 近年では軽量化,リサイクル化,低コスト化等の観点から,アルミニウム合金が航空機や自動車,オートバイなどの摺動部あるいは締結部に広く採用されています.しかし,それらの個所では微小な相対すべりを生じる場合があり,疲労に対する信頼性確保のためには通常疲労特性についても検討する必要があります.

フレッティング疲労とは
 ある面圧で接触している部材間における微小な相対すべりによって生じる摩耗のことをフレッティング摩耗といいます.その状態で部材に繰り返し応力が作用することで,フレッティング疲労と呼ばれる疲労現象が発生します.これによって通常疲労強度に比べて1/3程度まで疲労強度が低下する場合もあり,機械にとって重要な問題となっています.
 右にフレッティング発生箇所の例を示します.


ボルト・ナット


軸・軸受け

研究内容
 本研究では供試材としてアルミニウム合金を用い,電磁式超高サイクル疲労試験機により疲労試験を行いました.また,バニシング加工を施した試験片を用いて疲労試験を行い,それがフレッティング疲労強度に及ぼす影響について検討しました.

電磁式超高サイクル疲労試験機

バニシング加工とは
 バニシング加工とは,金属表面をローラで転圧することで平滑な仕上がり面を得る表面処理のことです.表面粗さの向上や表面硬化,圧縮残留応力の付与などの効果があり,疲労強度の向上を目的として使用されます.

バニシング加工

現在分かっていること

・フレッティングによって疲労強度が著しく
 低下する.
・バニシング加工を行うことで試験片表面
 の硬さが増す.
・バニシング加工を行うことでフレッティン
 グ疲労強度は向上する


 右に通常疲労試験とフレッティング疲労試験の結果より作成したS−N曲線を示します.



S-N曲線

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