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昇温時のガスケットの機械的特性および密封性能の測定 |
工場や石油プラントなどでは,配管設備にガスケット付フランジ継手が数多く使用されています.これらのフランジ継手からは,内部流体がごくわずかだが漏えいしています.このわずかな漏えいを微少漏えいと呼びます.微少漏えいを工場や石油プラント全体でみると,環境に影響を与える問題といえます.そこで,ガスケットの様々な特性の調査が必要です.
高温でも優れた密封性能を示す石綿ガスケットが発がん性物質を含むことにより使用禁止になりました.そのため,代替ガスケットの調査が必要になっています.常温でのガスケットの密封特性は多く試験され,明らかになりつつありますが,高温でのガスケットの特性調査は明らかになっておらず,調査が必要です.
常温におけるガスケットの一般的な漏えい特性調査の方法として,
JIS B 2490があります.この試験方法は,プラテンと呼ばれるステンレスの円柱形の部材にガスケットを挟み,荷重を加えてガスケットの密封特性および,ガスケットの変形量を測定する試験方法です.漏えい量の測定には,石鹸膜法を用いて行い,試験内圧は2MPa,荷重は変動荷重で行います.
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JIS B 2490 実験装置 |
昇温試験装置は,上に述べたJIS B 2490のプラテン部分にヒーター,熱電対を取り付け昇温,制御します.
変位計により,ガスケットの変位を測定し,圧力変換器により内圧を測定します.漏えい量を算出には圧力降下法を用います. |

フランジ |
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