沼津高専 専攻科 機械・電気システム工学専攻機械コースの紹介 本文へジャンプ
人間の後方転倒とエアクッションの静特性に関する研究

 近年の高齢者人口の増加に伴って,高齢者の怪我が多発しています.特に,大腿骨頚部における骨折が問題となっています.高齢者が,歩行時や立ち上がりの時に転倒し,体を床や壁に打ち付け,その結果,衝撃力が大腿骨頚部に伝わり骨折に至ります.この骨折の回復に時間がかかること,また骨折が治っても歩行障害が残ることなどの理由から,寝たきりになる可能性が高く,高齢者の寿命を縮める問題を生じます.


動作解析の方法
 各種センサを用いた分析
 被験者に加速度計を装着して,または床反力計に被験者が立ち,目的の動作を行い,センサで計測されたデータから運動を分析する方法です.


 シミュレーションによる分析
 コンピュータ上で人間のモデルを作成し,コンピュータの数値計算により模擬実験を行い分析する方法です.人間のモデルや動作をコンピュータで再現するのに必要なパラメータの決定が難しい方法です.

 モーションキャプチャによる分析
 被験者に反射マーカーを装着して目的の動作を行い,ビデオカメラなどで撮影,デジタルデータとしてコンピュータに取り込み,人間のモデルの動作を画像から読み取る方法です.モデルは実際に近い動作を行えますが,コストが掛かります.本研究はこの方法を用いています.


 本研究は,このモーションキャプチャによる分析方法を用いています.



大腿骨



モーションキャプチャ

大腿骨頚部骨折を予防するための製品
 プロテクター
 衝撃吸収用のパット入りのプロテクターで臀部を覆い,骨折を予防する製品です.ただし,履き心地が悪く,装着率が低いといわれています.

 
 エアバック
 転倒時にエアバックが作動して衝撃を緩和するジャケットタイプの製品です.自動車にもあるエアバックが衣服に組み込まれ,着用可能となったエアバックです.


 本研究は,上述の衝撃に対してエアクッションを用い,その静特性すなわち,内圧外圧によるエアクッションの影響を調べています.



プロテクター
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