実験装置の概要

本実験装置は、
- 一辺が20cm立方体に収まる大きさ
- 電源には9V乾電池1本のみ使用
- 使用した部品の多くは本校の機械実習工場で加工
- 電磁石のコイル巻は手作業
- 回路基板にはユニバーサル基板を使用
と以上のようなものであり、つまりフライス盤やボール盤等の工作機械が使用できる環境であれば、比較的容易に製作が可能です。
下表に実験装置の大きさと重量を示します。
項目 |
値 |
単位 |
奥行き |
120 |
mm |
横幅 |
140 |
mm |
高さ |
163 |
mm |
総重量 |
780 |
g |
浮上物体の重量 |
8.7 |
g |
本実験装置の磁気浮上系は上部に電磁石を固定し、浮上物体の上面に永久磁石を取り付けることにより、永久磁石による吸引力と電磁石による吸引力を併用する方式をとっています。永久磁石にはネオジム磁石を使用し、これは永久磁石の中でもっとも強力といわれています。
電磁石の吸引力の制御はマイコンによって行っており、その制御にはPWM方式を採用しています。
浮上物体に強力なネオジム磁石を取り付けたことで、磁場の変化によって出力電圧が変化するホールセンサを浮上高さの検出に使用することができるようになり、大幅な低コスト化を図ることがことができました。
制御則は浮上高さのPD制御であす。本実験装置は、現在の仕様では、液晶表示を見ながらボタンを操作し、ゲインの調節をリアルタイムに行うことで安定なゲインにチューニングするようなものとなっています。浮上の状態を見ながらゲインを感覚的に調節できるので、
数値的な事前知識無しでも安定に浮上させることができます。 つまり、装置を厳密に設計しなくても容易に装置の構築が可能となっています。

製作費用は下表に示すような詳細となっています。H18度の実験装置では、フリーホイールダイオードを取り付けていなかったため、消費電力に対する吸引力が小さく、電力消費も大きいという問題がありました。H19年度はそれを改善し、電磁石を小型化して、電池の数を減らすことができました。またオーバースペックであったFETを最適化し、その他の部品も安価なものに再選定したことで、全体として約3500円の製作費を削減することに成功しました。
部位
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費用 [円]
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2006年度
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2007年度
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フレーム
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500
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450
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電磁石
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1800
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1300
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センサ
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200
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200
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マイコン
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600
|
600
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回路
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4940
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2450
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浮上物体
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500
|
500
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電源
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870
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350
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合計
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9410
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5850
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