各部分の詳細
それぞれの部分の製作方法を以下に示します。使用した材料の一覧が最下部にあります。
フレームはアルミニウム製のL字アングル材とアクリル板を、ねじとナットによって固定することで容易に組み立てることができる構造になっています。
電磁石は鉄心にエナメル線を手作業で巻いたものを、 鋼の円盤と筒、そしてその下部をアクリル製のスペーサでケーシングしたものを使用しています。エナメル線の太さは直径0.8mmで、巻数は200程度です。
センサには磁界の強さによって出力電圧が変化するホールセンサを使用しています。これは, 浮上物体に取り付けられた永久磁石のつくり出す磁界の強さを検出することによって、浮上物体とホールセンサとの距離を検出するために使用しています。従って、電磁石が作り出す磁界のを測定しているわけではありません。電磁石が発生する磁界の大きさは、永久磁石のそれと比べて無視できる大きさであることを確認しました。
ホールセンサは、定電流回路によって定電流で駆動されることにより、温度による内部抵抗の変化が補償されますが、本実験装置では回路の小型化や電源の簡易化のために定電圧で駆動するものとしています。
回路基盤は片面ユニバーサル基盤上に素子やソケットなどをはんだ付けしてつくられています。基盤上にはマイコンを中心に、ゲイン調節に用いる5つのボタンスイッチと液晶表示モジュールが入出力インターフェイスとして、NチャンネルパワーMOSFETが電磁石ドライバとして、それぞれ配置されています。
また基盤には、ホールセンサおよび電磁石を接続する2つのコネクタがあり、電源のバッテリースナップと電源スイッチの配線が取り付けられています。
浮上物体は、永久磁石とおもりによって構成され、永久磁石の中で最も強力といわれるネオジム磁石を最上部に取り付けています。
おもりはポリカーボネート製のねじ・ワッシャ・ナットと鋼のナットを組み合わせて作り, 重量と重心の高さを調節しています。
電源には9Vの006P型乾電池1本を使用します。ホールセンサ, マイコンおよび電磁石の駆動電源はこの乾電池1本を共有しています。
マイコンの電源と電磁石の電源は分離した方が、電磁石にかけることができる最大電流が向上しますが、最大電流を抑えて電池個数を減らすことによるコストダウンを優先しています。
部位 |
部品名 |
個数 |
部位 |
部品名 |
個数 |
浮上物体 |
ネオジム磁石(B10-3302-11 10個組) |
1 |
回路 |
丸ピンICソケット(XR2C-2011-N) |
1 |
ポリカーボネート六角ボルト(M6) |
1 |
ホール素子(THS123) |
1 |
ポリカーボネートナット(M6) |
2 |
LCDディスプレイモジュール(SC1602BS-B) |
1 |
ポリカーボネートワッシャ(M6) |
5 |
タクトスイッチ(B3F-1020) |
5 |
電磁石 |
上部円盤(SS400) |
1 |
トグルスイッチ(P-224) |
1 |
円筒(SS400) |
1 |
LED(緑色) |
1 |
鉄心(SS400) |
1 |
3端子レギュレータ(TA7805S) |
1 |
アクリル円盤 |
1 |
FET(2SK2232) |
1 |
ステンレス製なべ小ねじ(M4) |
1 |
PSoCマイコン(CY8C27443-24PXI) |
1 |
六角ナット(M8) |
1 |
ICソケット(丸 28P) |
1 |
ワッシャ(M8) |
1 |
電解コンデンサ(10μF) |
1 |
エナメル線(φ0.8) |
1 |
積層セラミックコンデンサ(0.1μF) |
1 |
枠組み |
25×25×t2アルミアングル |
1 |
バッテリースナップ(006P用) |
1 |
アクリル板 |
1 |
スペーサ(SFA-310) |
4 |
なべ小ねじ(M4) |
8 |
片面ユニバーサル基板(ICB-293) |
1 |
ばね座金付なべ小ねじ(M3) |
8 |
金属皮膜抵抗(1/4W 2kΩ) |
1 |
ワッシャ(M4) |
14 |
金属皮膜抵抗(1/4W 1.5kΩ) |
1 |
六角ナット(M4) |
8 |
ダイオード(30PDA10) |
1 |
電源 |
9V形アルカリ乾電池(006P) |
1 |
被覆導線 |
1 |
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